7/29(火)まで駒ヶ根高原美術館で「前沢知子展」が開催されている。入館料一般800円 水・木曜日休館
*撮影は許可のあった場所のみで行っています
前沢知子:1972年長野県飯田市生まれの東京造形大学卒業。ダイムラー・クライスラー・グループ「アートスコープ2000」を受賞し、フランスにて滞在制作。07年より「美術から子育てを学ぶ会」を主宰し、ワークショップ多数。現在東京造形大学非常勤講師、前沢知子スタジオ代表。扱いジュンル/絵画・写真・現代美術・幼児美術・美術教育研究
入り口には、見事なパンジーの寄せ植えが咲いていた。何株あるんだろう??
私は正直観光地に隣接された、如何にも観光スポットの一つになればと言う目的の美術館には興味が沸かない。
ちょっとしたコレクションを、さぞ大層に展示する。所有しているのが凄いんだぞ的なニュアンス。
それよりも、キュレーター(学芸員)が意図した切り口、関連性を示してる展示の方が深く洞察できるし、数倍楽しめる。
そこに新しい気付きや発見が潜んでいる。
今回の駒ヶ根高原美術館の展示は、飯田出身の前沢さんの展示があると言うことと、企画展を組んでいる事を踏まえて
10年ぶり位に観に行く事にした。
しかし、飯田の美博で取り上げられずに駒ヶ根で行われると言うのは、ちょっと残念な気持ちを抱く。
*生の迫力を感じるためにも、是非足をお運びください。
入り口で渡されたパンフレット
観る者に体験的な鑑賞を促す現代アートの雰囲気・・・
書かれている内容はけっこう難しい
1組替え絵画ー空間絵画2014(絵画インスタレーション)では、光を通してうっすら模様が浮かび上がる絵画。
この作品を引いて見ると、空間全体で構成された絵画になります。逆に近付くと、鑑賞者自身が絵の中に溶け込む事によって、
絵画の1要素として作品の表情が変化していきます。このように、1つの作品に対しても、絵画として認識するか、シーン(風景)として認識するか、また見る人の感じ方や思考の違いからも、作品の持つ意味づけが変わっていくこと現象を起こさせる作品です(一部解釈含む)
この組替え絵画の作品だけ写真を許されていたのでパシャリ
2辞書ー2014コマガネでは、辞書にある「コマガネ」という言葉から関連する様々な本の同じワードを抜き出し、コマガネという言葉から連想して広がる情報や人とのつながりを体感出来るテントや、地図上に鑑賞者が付箋を貼って情報の地図を完成する作品があった
3連続/抽象写真2014-有楽町駅、有楽町駅1丁目(絵画インスタレーション)は、2種類の連続写真の展示。1枚の写真に注目すれば具象に全体の写真を見ようとすると抽象に意識的に置き換えてみているのではないか?という問題提起をしている作品。
どの解説も言っていることは何となく分かるのだが、もう少しすんなり同意出来る表現があるのでは??と思った。
しかし、そこの妥協をしない拘りがアーティストたる個性なのかも知れない。
スマートに説明するのは、エディケーターと言う普及する役目の人が居る。
ここに展示してあるのは、前沢知子さんの作品であり、それは鑑賞者への意図があって始めて完結するのだろう。。
ひさしぶりの駒ヶ根高原美術館では、やはり浜田知明氏のユーモアのある彫刻は印象深い。
また、前回は特に気に留めなかったのだが大竹伸朗氏の作品に触れられたのは感慨深かった。と言うのも、大竹伸朗の名前を色々と見る機会があったからだ。瀬戸内の直島銭湯「Iラブ湯」の作者と言えば分かる方も多いのではないだろうか?
アートに興味を持つ持たないには、親近感が大きく作用してくると思う。前回は特に気にもしなかった作品が、知識によって違った印象を抱く事がある。それも知識による親近感からだと思う。
鑑賞者に新しい出会いや発見を促す目的としては、私もこのブログや鑑賞ツアーなどで広めていきたいと思っている。
それこそが、アートの魅力であり醍醐味だと感じているからだ。
続きでは、当店主催の「南信美術展鑑賞ツアー」について